【体験談】実務者研修 介護過程Ⅲ・1日目|ICFで情報整理に苦戦した話

実務者研修(介護過程Ⅲ)1日目の教室風景とICFでの情報整理をイメージしたアイキャッチ 実務者研修

※この記事の「1日目」は、実務者研修の通学パート『介護過程Ⅲ』の初日の体験談です。

この記事では「実務者研修(介護過程Ⅲ)1日目」でやったことを、実体験ベースでまとめます。
1日目は 事例を読み→アセスメントで情報を拾い→ICFで分類して“全体像”をつかむ日
つまずきやすいのは「同じ情報でも“機能・活動・参加・因子”に分ける」部分でした。
結論、迷うのは普通で、迷った箇所がそのまま支援のヒントになります。
この記事を読めば、1日目の流れと「どこで詰まるか/どう整理するか」が掴めます。

介護福祉士の実務者研修の中でも、個人的にいちばん印象に残っているのが「介護過程Ⅲの1日目」です。

理由はシンプルで、
この1日目がその後の4日間(計5日間)の土台になる内容だったから。

正直、この日をちゃんと理解できるかどうかで、介護過程Ⅲ全体の理解度が大きく変わる。
それくらい「頭を使う一日」でした。

介護過程Ⅲ・1日目のざっくりタイムスケジュール

講義は9:30〜18:00
途中に15分休憩が2回くらいあって、昼休みは1時間という感じでした。
(体感は「長いけど、内容が濃いから案外あっという間」)

  • 午前(9:30〜):オリエンテーション/介護過程Ⅲの目的確認/ICFとは何か/事例の読み込み
  • 昼休み(1時間)
  • 午後:課題分析(アセスメント)→ICF分類(グループワーク中心)/全体共有
  • 休憩:15分休憩が2回くらい(前後でメリハリつく)

午前は「ICFの基本の話を聞いて、事例を読んで頭を温める」。
午後は「ひたすら整理して迷って、グループで議論して、また迷う」みたいな流れでした。

ちなみに自分は、午後のICF分類に入った瞬間から一気に脳みそフル回転でした(笑)

介護過程Ⅲ・1日目は「全体像をつかむ日」

介護過程Ⅲの1日目にやったことは、ざっくり言うとこの3つです。

  1. 事例資料を読み込み、本人の生活状況や背景を把握する
  2. 課題分析(アセスメント)項目に沿って、必要な情報を拾い上げる
  3. 拾い上げた情報を、ICF(国際生活機能分類)を使った情報整理シートの枠に分類して書き込む

つまり、
「文章で書かれた事例」→「アセスメント項目で情報を拾う」→「ICFで分類して整理する」
という順番で進めるイメージです。

この時点では、介護計画を立てたり、援助方法を考えたりはまだ先。
とにかく情報を整理して“全体像”をつかむことに集中しました。

今回の主役は「田中さん」|佐藤さんは比較として登場

1日目は、田中さんと佐藤さんという2つの事例を扱いました。

ただ、自分の中で特に印象に残っているのは田中さんの事例です。
理由は、後半の実技(最終日)でも田中さんの歩行介助がテーマになっていて、介護過程Ⅲの内容が一本の線でつながった感覚があったから。

一方で、佐藤さんの事例は「比較」をするのにすごく役立ちました。
同じ項目でも、生活の場や支援体制が違うだけで、ICFへの落とし込み方が変わる。
この違いを体感できたのは大きかったです。

実際に使った資料(事例 → アセスメント → ICFシート)

1日目の作業は、資料3点セットで進みました。

  1. 田中さん/佐藤さんの事例資料
  2. 課題分析(アセスメント)項目
  3. ICFでの情報整理シート(書き込み用)

ここでのポイントは、
「ICFシートにいきなり書く」のではなく、まずは事例資料とアセスメント項目を見て情報を拾ってからICFに入れていくこと。

文章で見ると簡単そうですが、
実際にやってみるとこの「3.ICFでの情報整理シートへの書き込み」が一番悩みます。

介護過程Ⅲ1日目の事例資料(田中さん)
「田中さんの事例資料」
介護過程Ⅲ1日目の事例資料(佐藤さん)
「佐藤さんの事例資料」
課題分析(アセスメント)項目の(田中さん)
「課題分析(アセスメント)項目:田中さん」
課題分析(アセスメント)項目(佐藤さん)
「課題分析(アセスメント)項目:佐藤さん」
ICFを使った情報整理シート(田中さん)
「ICF情報整理シート(田中さん)」
ICFを使った情報整理シート(佐藤さん)
「ICF情報整理シート(佐藤さん)」

ICFで一番悩むのは「どこに入れるか」

ICFシートに書き込む作業で、特に手が止まったのはこのへんでした。
(ここからが、1日目の“リアル”)

迷ったポイント①:「歩ける/外出できない」はどこに入れる?

田中さんの事例には、

  • 院内では杖で歩行練習していた
  • 自宅内は歩行器でゆっくり歩いている
  • 外出の機会が減っている(趣味や交流も減っている)

みたいな情報が出てきます。

このあたり、同じ「歩行」に見えても、実は分けて考える必要がありました。

  • 「下肢筋力低下」「麻痺」など“原因” → 心身機能・身体構造
  • 「歩く(歩行器で移動する)」など“できる動作” → 活動
  • 「外出が減る」「交流が減る」など“生活への影響” → 参加

原因(身体)/行為(活動)/生活(参加)
この3つで分けて考えると、整理しやすかったです。

ちなみに佐藤さんの事例だと、生活の場が施設で支援体制も違うので、
同じ「移動」でも前提が変わり、整理の迷い方が少し変わったのが印象的でした。

迷ったポイント②:「失語で話せないストレス」は機能?個人因子?

田中さんは失語があり、通所リハに行っても言葉が出づらくて、
思いが伝わらないストレスで黙ってしまう…みたいな場面があります。

ここもかなり迷いました。

  • 「失語(言語機能の障害)」そのもの → 心身機能
  • 「伝わらないストレス」「我慢して黙る」などの反応 →
    心身機能(精神面)に寄せるか/個人因子として捉えるかで悩む

自分の中では、
障害そのもの”は心身機能
その人らしさ(我慢の癖、諦めやすさなど)”は個人因子
みたいに分けるイメージで落ち着きました。

迷ったポイント③:「尿便意あり」+ズボン動作の情報はどこまで広げる?

アセスメント項目には、

  • 尿便意あり
  • トイレで排泄している
  • ただ、ズボンがしっかり上げられていないことが多い

といった情報が書かれていました。

ここで感じたのは、排泄の話が実はそれだけで終わらないこと。

  • 「尿便意がある(尿意はある)」→ 心身機能(排尿機能)
  • 「トイレで排泄できている」→ 活動(排泄動作)
  • 「ズボンを上げるのが難しい」→ 活動(更衣動作)にも関係
  • 背景に「焦り・羞恥心・遠慮」などがあるなら → 個人因子
  • 手すり、動線、衣類の形などが影響するなら → 環境因子

こうやって見ていくと、
1つの情報が“排泄”だけで終わらず、生活動作全体に波及するのを実感しました。
「どこに入れるか」で迷うのは、むしろ自然だなと思った部分です。

ICFで整理する意味を実感した瞬間

この作業を通して強く感じたのが、

ICFに基づいて情報を整理することは、介護者の感覚や経験だけに頼らないための仕組み
ということでした。

感覚だけだと、

  • なんとなく大変そう
  • なんとなく支援が必要そう

で話が進んでしまいがちです。

でもICFに沿って整理すると、

  • 何が課題なのか
  • どこに強みがあるのか
  • どんな環境が影響しているのか

が少しずつ見えてきます。

ケアマネのアセスメント(情報収集→整理)とも通じる部分が多く、
「これは土台としてかなり大事だな」と感じた一日でした。

よくある疑問(Q&A)

Q:予習は必要?

A:結論、がっつり予習より「ICFの枠(心身機能・活動・参加・因子)」を軽く知ってると楽です。知らなくても当日は進みますが、分類で詰まりやすくなります。

Q:グループワークで置いていかれない?

A:最初は迷う前提です。迷った情報を「候補を2つ出す」だけでも議論が回ります。むしろ迷ったところが“観察ポイント”になります。

Q:ICFの“正解”ってある?

A:一発の正解というより「理由が説明できるか」だと思いました。原因/行為/生活への影響に分けると筋が通りやすいです(本文の例の通り)。

Q:1日目で一番しんどいところは?

A:「どこに入れるか」迷う時間です。でも迷い=支援のヒントなので、ここが一番大事な部分でもあります。

関連記事もまとめておきます(同じ介護過程Ⅲシリーズです)

1日目を終えて感じた正直な感想

1日目を終えた時の正直な感想は、

  • 思っていた以上に頭を使う
  • 正解が一つじゃない分、難しい
  • でも、ここを飛ばすと後がきつい

この3つです。

逆に言えば、
ここを丁寧にやったからこそ、2日目以降の“援助方法を考える”作業につながっていく
とも感じました。

次に読むなら(介護過程Ⅲシリーズ)

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