この記事では、実務者研修「介護過程Ⅲ」4日目に学んだことを、体験談ベースでまとめます。
4日目は、介護技術(オムツ交換・移乗)そのものもやるけど、それ以上に 「コミュニケーションの取り方」が印象に残った一日でした。
結論から言うと、4日目の学びはこの3つ。
- 技術よりも、まず“どう接するか”が大事(声かけ・目線・安心感)
- ボディメカニクスは介護者だけじゃなく、利用者にとってもラクになる
- 介助は「なんとなく」でやると迷う。だからこそ 分解して言語化するのが効く
前回(3日目)が田中さん中心(歩行・更衣)だったのに対して、4日目は佐藤さん中心(排泄・移乗)。
同じ「介護過程Ⅲ」でも、場面が変わると難しさも学びも変わるな…と実感した。
※介護過程Ⅲ(1〜5日目)の全体像とつまずきポイントは、まとめ記事に集約しています:実務者研修「介護過程Ⅲ」まとめ|1〜5日目の流れとつまずきポイント
※どこで受けるか迷ってる人: 実務者研修のスクール選び:働きながら通う人の選び方7項目(費用・通学・課題チェックリスト)
介護過程Ⅲ・4日目は「介護実践を言語化する日」
4日目の目標として、最初にこう言われたのが印象に残ってる。
「介護過程の展開を理解し、その介護実践の言語化と具体的な場面において実践できること」
つまり、ただやるだけじゃなくて、
- なぜその順番なのか
- どこが危ないのか
- どうすれば本人がラクになるのか
- どう声をかければ安心できるのか
こういう部分まで含めて、“自分の言葉で説明できる状態”を目指す日ってこと。
ざっくりタイムスケジュール
講義は 9:30〜18:00。途中に15分休憩が2回くらい+昼休み1時間って感じ。
- 午前:佐藤さん(左片麻痺)を想定した オムツ交換(排泄介助) の実技
- 午後:オムツ交換後、仰臥位の佐藤さんを ベッド→車いすへ移乗 → 食堂まで誘導(グループワーク)
午前:佐藤さん(左片麻痺)のオムツ交換で感じた難しさ
午前は、左片麻痺のある佐藤さんの排泄介助。オムツ交換の実技だった。
正直、オムツ交換未経験の自分はかなり戸惑った。
「どこから手を入れる?」「体位変換どうする?」「声かけのタイミングは?」みたいに、頭の中が忙しい。
でも先生が言ってたのが、これ。
「オムツ交換の手順などの介護技術も大切だけど、この実務者研修で一番大切なのは“コミュニケーションをどう取るか、考え方を学ぶこと”」
「気づき、学び、理解する」
ここ、4日目の芯だったと思う。
介護の原則を、実技で“ちゃんと意識する”
4日目は、介護の原則もセットで整理してくれた。
①安全安楽
- 体調確認、環境確認、麻痺の保護
②自立支援
- 残存機能の活用、ボディメカニクスの活用、意欲の引き出し
③尊厳の保持
- 説明と同意、プライバシー保護
「知ってる」じゃなくて、実技でやると一気にリアルになる。
排泄介助って、特に③尊厳の保持が重い。
ボディメカニクスの原則(この日は特に⑤⑥が効いた)
先生が整理してくれた、ボディメカニクスの原則はこの6つ。
- 支持基底面積を広くとり重心を低くする
- 利用者に近づいてお互いの重心を近づけて動作する
- 大きな筋群を使い、身体全体を使って動作する
- 体をねじらず重心移動しやすい姿勢にし、利用者の体を重力に逆らわないで水平に引く
- てこの原理や回転軸を利用し、利用者の体を小さくまとめて動作する
- 介護者は利用者の力と同方向へのベクトルの法則を用いることで介助は最小の力で行える
この日のオムツ交換では、特に ⑤と⑥がポイントになった。
それと先生の言葉で、地味に刺さったのがこれ。
「ボディメカニクスは介護者のためだけじゃなく、利用者にとってもラクになる」
「介護者と利用者で、向き・大きさ・タイミングを合わせる」
「合わせる」って、技術の話でありコミュニケーションの話でもある。
実際にオムツ交換で意識した「工夫・気をつけること」

オムツ交換の場面では、左片麻痺があっても 本人ができることは、できるだけ本人にやってもらうのが大事だと感じた。
全部介護者がやってしまう方が早いけど、それだと自立支援に繋がりにくい。
たとえば、こういう動きは本人の協力を引き出せる。
- 左腕を(本人の右手で)胸の上へ動かしてもらう
- 右脚を自分で立ててもらう
- 協力してくれたら、その都度 「ありがとう」と感謝を伝える
排泄介助はデリケートだから、プライバシー確保と羞恥心への配慮は必須。
- カーテンを閉める
- 腰に掛物をする
- 臭気を本人が気にしないような声掛けをする
- 使用済みオムツは 手早く丸めて処理する(本人が不快にならない配慮にもなる)
ちなみに、自分はオムツ交換の時に
- 挨拶
- ゆっくり話す
- 上から話さない(目線を下げる)
- 目を見て話す
- 「せーので起こしますよ」などタイミングを合わせる声かけ
- 最後に「ありがとう、次もよろしくお願いします」と言葉で締める
このへんを意識してやってみた。
そしたら先生から「コミュニケーション上手」と言ってもらえたのは、素直に嬉しかった。
ただ改善点もあって、
「寝ている顔の真横で話すより、少し下側にずれて話す方が目線が合いやすいし、相手もラク」
って教えてもらった。こういう細かい気づきが現場っぽい。
あと、別の人への注意で印象に残ったのがこれ。
「使用済みのオムツは利用者の足側で処理する(顔の方でやると臭いだろ)」
たしかに…ってなった。
午後:仰臥位から車いすへ移乗 → 食堂まで誘導
午後は、オムツ交換を終えて仰臥位になっている佐藤さんを
ベッド → 車いすへ移乗 → 食堂まで誘導
という想定で、グループワークした。

まず迷ったのが「車いすをどこに置くか」
ここ、意見が分かれた。
でも整理すると答えが見えてくる。
佐藤さんは左麻痺。
移乗する時は基本的に 右足を軸にして、後ろへ回転するように座る形になる。
だから、車いすは 介護者の左側に配置する必要がある。
「なんとなく」で考えると迷うけど、
麻痺側/軸足/回転方向で整理すると、配置の理由がはっきりする。
本人の動きと介護者の動きを分けて考える
移乗の流れは、本人の動きと介護者の動きを分けて整理すると理解しやすかった。
1)仰臥位 → 側臥位
- 佐藤さん:左腕を胸に上げてもらう/ベッドの手すりをつかんでもらう
- 介護者:左脚を立てる(動きやすい姿勢を作る)
2)側臥位 → 端座位
- 佐藤さん:右肘を立て、上半身を肘より前に出してもらう
- 介護者:首と大腿部を支えて体を起こす
3)端座位 → 車いす
- 佐藤さん:右手で車いすの右手すりをつかむ/右靴は自分で履く/両足を床につけて安定させる
右足を車いすに近づけて出し、右足を軸に回転するように座る - 介護者:左靴を履かせる/体幹を支える/右腕を腰に回して支える/左足をフットレストにのせる
4)自走スタート(見守り)
- 佐藤さん:右足の巻き込み注意/前のめり転倒注意(声掛けがあると安心)
- 介護者:右前側に立って見守りと声掛け(左目失明のため)
この流れ、未経験だと“難しい”が普通だった
未経験の自分にとっては、正直この一連の流れはかなり難しくて、最初はどう介助すればいいのかイメージも湧かなかった。
でも、一つ一つ分解して整理していくことで、少しずつ理解できる感覚があった。
工夫・注意点として、特に意識したいのはこのあたり。
- 声かけは 右前側から(左目失明のため)
- 目標の押し付けにならないようにする(自走距離は少しずつ伸ばす)
- 目を見て、ゆっくり話す
- 励ましの言葉でモチベーションを上げる
ひとつの介助でも、考えること・意識することは本当に多い。
ベテランは慣れでできるのかもしれないけど、初めての自分には簡単じゃないなと痛感した。
それでも、先生が冒頭で話していた 「気づき→学ぶ→理解する」 を、この研修の中で実感できたのはかなり大きかった。
4日目を終えて感じたこと
4日目は、介護技術の練習をしてるようで、実は
- 相手の安心感を作る言葉
- 尊厳を守る配慮
- “合わせる”というコミュニケーション
- 介助を分解して言語化する力
こういう「現場で効く土台」を学んだ日だったと思う。
技術はやっていけば上達する。
でも、利用者とどう接するかは、最初から意識して積み上げないと身につかない。
だからこそ、4日目は自分にとってかなり大きい回だった。
Q&A(4日目で気になるところ)
Q1. オムツ交換って、手順を覚えればできる?
手順も必要だけど、実際にやると「声かけ」「タイミング」「プライバシー配慮」で難易度が上がる。技術+コミュニケーションがセットだった。
Q2. 未経験だと戸惑うのって普通?
普通。むしろ「どこが怖いか」「何が分からないか」を自覚できるのが最初の一歩だと思った。
Q3. 車いすの置き方で迷った時はどう考える?
麻痺側・軸足・回転方向で整理すると理由が見える。なんとなくでやると迷うけど、分解すれば判断できる。
Q4. 4日目で一番の学びは?
技術より先に「どう接するか」。声かけ・目線・説明と同意・感謝の言葉。ここが利用者の安心に直結する。
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